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2009.10.03 Saturday
北アルプス南部の縦走
ようやくシルバーウィークの山行記録をアップする。ついでに9月上旬へ行った
恋ノ岐沢
の記事もアップする。
シルバーウィークに北アルプス南部の縦走へ行ってきた。北鎌尾根、北穂池や北穂東稜、奥又白池から前穂、奥穂から西穂など盛りだくさんの内容で計画していたのにこの半分くらいしか実行できず悔しい山行となった。
【計画
】
19日 焼岳登山口駐車場(中の湯)〜横尾〜水俣乗越〜北鎌沢出合又は北鎌のコル(幕営)
20日 幕営地〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜南岳小屋又は、大キレットから北穂池(幕営)
21日 幕営地〜Y字ガレ沢左俣〜2814m〜北穂東稜〜北穂高岳〜涸沢ヒュッテ〜5・6のコル〜奥又白池(幕営)
22日 幕営地〜奥又尾根〜踏替点〜A沢〜前穂高岳〜奥穂高岳〜西穂山荘(幕営)
23日 幕営地〜焼岳〜新中の湯ルート〜登山口駐車場
【
実際に歩いたルート
:青字がエスケープルート】
19日 焼岳登山口駐車場〜釜トンネル〜水俣乗越〜北鎌のコル(幕営)
20日 北鎌のコル〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜天狗池(ビバーク)
21日 天狗池〜南岳〜
大キレット鞍部〜長谷川ピーク〜北穂高岳
〜涸沢ヒュッテ〜5・6のコル〜奥又白池(幕営)
22日
奥又白池〜中畠新道〜徳沢キャンプ場
(幕営)
23日 徳沢キャンプ場〜上高地〜釜トンネル〜焼岳登山口駐車場
半分くらいしか歩けなかった原因、それは靴擦れとマメのトラブルだと思う。
焼岳登山口駐車場から上高地までは車道歩き。上高地に着いた時点で足の異変に気づく。かかとが痛い!靴下脱いで見てみると、皮がぺろんと剥けている。
まさか上高地で引き返すわけにはいかず、
見なかったことにして、ビニール袋をかかとのとこに詰めて、そのまま歩いた。痛いがなんとか歩けることが分かり、
続行した。しかし痛かった。。。このため2日目からの行程がだんだんずれだした。
群馬から6時間くらい下道を走り、焼岳登山口駐車場(10台くらい停めれる)にて前夜泊する。もしかしたらシルバーウィークで駐車場一杯になるかと思ったが、夜12時くらいだとスカスカだった。
よく寝れて朝5時頃歩き始める。中の湯温泉を経由して下る。1号〜10号カーブまであってそれを1個ずつ通過していく、意外に疲れる。。
釜トンネルの中。
上高地までは車道歩きで2時間もかかってしまった。この車道歩きで靴擦れ発生した。
上高地から横尾方面へまた平坦な道を歩く。この道何度も通ったのでウンザリだ。途中明神岳か前穂あたりが見えて綺麗だった。
そしてなだらか槍沢を登っていく。だらだらと長い…
水俣乗越にようやく到着。ここから登山道をはずれ、北鎌尾根へ向かう。
この看板の後ろに登山道並みに明瞭な踏み跡があり、降りる。踏み跡あまりに明瞭すぎて、さすが有名なルートだけあるなと思った。
ガレた天上沢を下りるが、これが長いので結構疲れた。
天上沢から見た北鎌尾根。天気良い!
地図と照らし合わせ、北鎌沢出合にようやく到着したことが分かった。ここで北鎌のコルまで登るか迷った。足痛いしどうしようかと思ったが、まだ時間あったので途中水3.5リットル汲んで登った。
北鎌沢はきつい登りだった。傾斜が急で疲れさせる。
ようやく北鎌のコルに到着する。狭いテント場があったので幕営とした。そこから燕岳が見えた。
この日は他に何人も入っていた、コルから見下ろすと出合に何張ものテントが見えた。会ったのは単独の人が多かった。
2日目は5時頃コルから歩き始める。
だんだん夜が明けはじめる。この日も天気良い!
しばらく歩くと、だんだん独標が近くなってくる。途中何張かテントがあり、まだ出発してないようだった。
これが有名な?独標のトラバースだ。取り付きにはFIXのロープがかけてくれており、ありがたく使わせてもらった。
トラバースをしていき、ザックが引っかかることで有名な箇所を通過した後、独標へ登れそうに思えたので岩場を伝って登る。ガレていて歩きにくかったが、なんとか一番高いと思われるとこへ到着した。
独標からはピークがいくつも連なっている。それを直登するかトラバースするか自由だが、自分は1人なので無理しないようにと思い、トラバース道ばっか探して歩く。でもこれがあんま良くなかった!巻いて巻いてと頭で唱えながら歩くと、どうも行き詰ってしまう。。。恐ろしい下降をしなくてはならなかったり、ガレた登りがあったりする。トラバースは落ちたら一瞬で何百mも滑落してしまいそうで、恐い!この時点でトラバース恐怖症になった。
一箇所行き詰って、懸垂下降をした。
一旦トラバースして下ってからの登り返し。
途中で追い越された単独の人を見ると、直登ばっかしている。それを見ると、どうもトラバースするより、直登した方が効率的に進めるんじゃないかと思った。それから直登を心がけた。すると意外に快適に進めることに気づいた。
北鎌尾根からは裏銀座が綺麗に見える。
ようやく頂上が近くに見えてきた。
北鎌平。
下の写真の人は単独の先行者。ここはもう頂上まであと100mくらいのとこだ。
ここが核心部のチムニー。残置があるので分かりやすい。突っ張って登った。
ようやく登山者がたくさんいる槍の穂先の直下へくる。登山者がたくさんいる中へぴょんと飛び出した。シルバーウィークでこの晴天のため、ありえないくらい人、人、人だった。
頂上から山荘を見ると、人だらけ!どんどん登ってきており、大渋滞。
裏銀座方面。やっぱ綺麗だな。
山荘まで降りて装備を解く。そして懸念していた水のことを考える。南岳方面へ稜線沿いに歩くと、雪渓で水場があるようだが、いまいち信用できない。ここは槍沢へ一旦下って大量の水をゲットして、逆さ槍で有名な天狗池を経由して南岳へ向かうことにした。
下っている途中から見た槍ヶ岳。雲ひとつない晴天。
槍沢と天狗池への分岐まで異様に長かった。。。山荘から高度差にして500mくらいは下ったと思う。この時点で北鎌尾根での緊張が解けたのと、この下りにより、靴擦れとマメの合併症による痛みが発生。もう歩けない、と感じるようになった。とりあえず南岳までは行きたい、と思った。
休み休みなんとか天狗池へ到着。
素晴らしい景色だ。とりあえず、靴を脱いで足の様子を伺うが、痛々しい。ゆっくり休憩。そうしていると、歩く気力が失せた。
ここでビバークすることにした。水場もあり、整地されたテン場もあった。誰か他にもビバークしたのだろう。
夜7時くらいに天体観測をしたいと言う方がもう1人現れ、テントを張っていた。ヘッドライト照らしながらいきなりやってきたので、まさか環境レンジャーが注意しにきたのかと思ってびびった。なんでこんな遅い時間に到着するんだ?
朝は日の出の逆さ槍を撮影する人が何人かいた。ただ、この日はあまり綺麗にモンゲルロートは見れなかった。
3日目の朝、足もなんとか少し回復し、靴擦れの箇所は三角巾とバンドエイドで補強し、出発。そして南岳へ到着したが、やっぱ足痛くなった。
大キレット鞍部へ向かう。この日は、大キレット鞍部からさらに下って、北穂池へ向かう予定だった。鞍部に到着し、池を探すとよく見えた。鞍部から見えるのに、一旦下って池まで行き、そこから北穂東稜へ登り返すのバカらしく思えた。また今度、横尾本谷をつめ、その足で北穂池へ寄ればいいと思った。足も痛いしということで大キレットから長谷川ピーク経由北穂高岳のエスケープルートへ巻くことにした。そしたら、見事渋滞に巻き込まれた。。。
何人か先に行かせてもらいながら渋滞を切り抜け、ようやく北穂高岳に到着する。すごい人の数!山頂は満員だった。
北穂山頂から今度は涸沢ヒュッテへ向けて下る。これがまたきつい。。。痛んだ足にがんがん衝撃が走る。このとき思った、こんな底の固い靴は履くべきでないと。やっぱ柔らかい靴で山は歩きたいなと感じた。
ようやく涸沢ヒュッテに到着し、大休止し最後の力を振り絞って今日の幕営予定地の奥又白池へ向かう。まずは前穂高岳の5・6のコルへ向かう。結構きつい。
5・6のコルを見上げる。
下を見たところ。
踏み後はしっかりしていた。たまに外してしまうが、踏み跡のとこはかなり歩きやすい。
5・6のコルに到着して、そこからまた下る。また下りだ。。。なんか登って降りてしてばっかだ。特に下りの足への負担は大きい。ここから奥又白池までは、恐怖のトラバースや恐怖の下降が何箇所もあり予定外に疲れさせられた。よくもまあ、こんな急斜面に道を作ったものだと感心した。誰が切り開いたんだろうか?疑問を感じながら必死に歩いた。精神的にも肉体的にもかなりきた。。。
そしてようやく別天地の奥又白池へ到着。綺麗!クライマーが何パーティかいた。
前穂も迫力あった。
明日登る予定であるA沢のルートを確認する。この写真上部のピークとピークの間を縫って登っていくのだろうということが分かった。前穂へ登り、吊尾根で奥穂へ向かい、そこから西穂〜焼岳〜駐車場と繋ぐ予定だった。しかし、この時点で足がぼろぼろで明日登る気力はほぼゼロだったが。。。
実際4日目である次の日になると、雨が降っておりまさか登るわけもなく、即撤退を決め中畠新道を下る。
徳沢キャンプ場に到着。奥又白池からほんのわずかしか歩いていないが、足が悲鳴を上げている。まだ11時くらいだったが、もう歩けずここで幕営とした。持参した本を読んだ。山野井泰史の話で、「凍」というものだ。面白い、この日だけで150ページくらい読み進めることができた。
最終日の5日目、朝早起きしテントをたたんで出発。上高地を経由し、そこから地獄の車道歩きで、釜トンネルと中の湯温泉を経由し駐車場へ向かう。上高地までは平坦な道ばかりだが、異様に疲れる。足のことを考えないようにし、空想にふけりながらひたすら歩く。
釜トンネルを下る。
釜トンネルを出ると、最後の登りだ。駐車場までは10号カーブまである。カーブ間の距離は思ったより長く、カウントダウン形式であと何号と数えながらひたすら歩く。通過する車が奇跡的に乗っけてくれることを期待するがそんなことはない。1時間半かけてようやく自分の車のある駐車場に到着!嬉しかった、やっと固い靴から解放されると思った。すぐクロックスに履き替えるが、靴を脱ぐときはそ〜としないと痛い。登山靴を履いていたときは、まさに鉄を足にまとっていたような感覚だった。
それから群馬まで6時間くらいかけて快調に下道を戻る。途中鹿教湯温泉に立ち寄ってさっぱりした。
今回はせっかくの5連休に出鼻をくじかれた苦痛の山行となった。しかし実際靴擦れをおきてなくても歩けたかは疑問だ。そこでもう靴擦れやマメを発生させないため、新しい登山靴を新調した。これまでは靴底が固くてごっついのだったが、今回は日帰りハイキング向けのような柔らかい靴を選んだ。やっぱ運動靴みたいに柔らかい方が歩きやすいんじゃないかと思う。岩場などで踏ん張りが利かないらしいので、そこは足の力で何とかすればいいと思う。早く使ってみたいね。
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author :
anntena
登山
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